「ほらね」
 言われて、ふたり玄関へ向かう。
 玄関の明かりは人を感知するとつくように設定してある。だから今は廊下も玄関も照明がついた状態。
 靴を脱いで顔を上げたリィを見てびっくりした。
「何、なんでそんな顔色悪いのっ!?」
 オレンジの光の下にいても青白く見えるって普通じゃない。
 秋斗さんと小ガッコで会えば、秋斗さんが家まで送ってくると思った。けど、これは――。
「えと、まずはただいま」
「はい、おかえり。で?」
 話を逸らしてなんてあげないよ。何があったのか話してよ。具合が悪いなら直ちに言って。
「冷えただけだから……。初等部に行って動物見てたら冷えちゃったの」
「……それだけ?」
 訊くと、「それだけ」という返事があり、そのあと付け足すように秋斗さんに会ったことを報告された。