「リィ? さっきから難しい顔してるけど……」
「え? あ、難しいこと考えています」
「……秋斗さんのこと?」
「違います」
「くっ、即答かよ」
……だって、本当に違うから。
昇降口で靴を履き替え外に出ると、車の前に高崎さんが立っていた。
「翠葉ちゃん、おかえりなさい。じゃ、マンションへ帰ろう」
後部座席のドアまで開けられてお姫様状態だ。
唯兄も一緒に後部座席に乗り込んだ。
唯兄の胸にはちらりとチェーンが見えている。
「何? 鍵が気になるの?」
顔を覗き込まれ、しかも核心をつかれてドキリとする。
「なんだ、言ってくれれば見せるのに」
と、長めのチェーンごと外して渡された。
あまりにも簡単にひょいと渡されたものだから、慌てて両手で受け止める。
よく見ると、細かい傷がいくつもついていた。
「え? あ、難しいこと考えています」
「……秋斗さんのこと?」
「違います」
「くっ、即答かよ」
……だって、本当に違うから。
昇降口で靴を履き替え外に出ると、車の前に高崎さんが立っていた。
「翠葉ちゃん、おかえりなさい。じゃ、マンションへ帰ろう」
後部座席のドアまで開けられてお姫様状態だ。
唯兄も一緒に後部座席に乗り込んだ。
唯兄の胸にはちらりとチェーンが見えている。
「何? 鍵が気になるの?」
顔を覗き込まれ、しかも核心をつかれてドキリとする。
「なんだ、言ってくれれば見せるのに」
と、長めのチェーンごと外して渡された。
あまりにも簡単にひょいと渡されたものだから、慌てて両手で受け止める。
よく見ると、細かい傷がいくつもついていた。


