それは昨夜の出来事。
 仕事をしていたら音声通話で呼び出された。相手は唯。
「何……」
 俺はモニターに視線を固定したまま、タイピングしている手だけは休めない。システム構築の最終段階に入ったところだった。
『リィ情報提供するんで、少しはこっちに意識ください』
 ピタリと手が止まり、じわりと汗が手に滲む。
『ったく、わっかりやすいなぁ……。わかりやすすぎて、若干迷惑被ってるんですけどっ!?』
 なんの話だ? 疑問に思いつつ耳を傾けていると、
『明日、リィは終業式が終わったら初等部へ行くそうです。で、そのあとは家に帰ってきてご飯食べてから病院』
「それが……?」
 それを知ったところでなんだというのか……。