泣いたら少しだけすっきりした。
 感情を認めて外に出すと、こんなにも気持ちが落ち着くものなのだろうか。
 そんなことを考えながら、
「何ができるのかわからないけど、でも、がんばります」
「お願い。翠葉が倒れたら私がどうにかするから、限界までがんばっていいわよ」
「……自分がやりたいところまで?」
「……そう。ストッパー外していいわ。私が許す」
「はい……」
「じゃ、若槻に連絡して迎えに来てもらいなさい」
 先生から離れると、先生はとても優しい表情で私を見ていた。
 この笑顔はどこかで見た気がする。
 また既視感――いったいどこでだっただろうか……。