ドアが開くと、唯さんと御園生さんに迎えられた。きっと、御園生が帰ってくるのを待ってた人たち。でも、どうして御園生がこんな緊張しているのかはまだわからない。
 観察しつつも、御園生さんに声をかけられると照れのスイッチが入ってしまう。
「俺にはそんな態度にならないのにねぇ?」
 唯さんに脇腹をつつかれ笑うと、ちょっとした照れ隠しができた気分。
 御園生さんにうながされるままに廊下を進むと、
「あっれー? 佐野じゃん」
 海斗がいた。そして藤宮先輩と秋斗先生と湊先生と知らない人ふたりと秋斗先生。
 ……え? 秋斗先生がふたり?
 部屋の対角に位置する場所に座るふたりを見比べてしまう。
「くくっ……佐野、混乱してる?」
「海斗、秋斗先生がふたり……」
「さて、どっちがどっちでしょー!」
 どっちがどっちって言われても……。
 混乱してる俺に声をかけてくれたのは御園生さんだった。