家にはあらかじめ帰りが遅くなるという連絡は入れてある。
 それでも、まだ学校にいる旨を知らせるメールを送っておいた。
 警備員室の脇に立っていると中から警備員さんが出てきて、
「お嬢様、外にいられてはお身体に障ります。何もないところではありますが屋内へ入られてください」
 警備室へ入るように勧められたけれど、丁重に断った。
「きっと、待っても十分くらいだと思います。だから……大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
 警備員さんはさらに何かを言おうとしたけれど、私は背を向けてしまった。
 時計が七時五分を指したとき、遠くにツカサの姿を見つけた。