「……そーかなぁ?」
 一昨日のツカサを思い出すだけで心臓が縮み上がる。
 そこからすると、思い直すなんてことはないようにしか思えなかった。
「嵐子先輩……前に教えてくれましたよね。好きな人に好きと伝えて誤解を解けばいいって……」
「うん、後夜祭のときにそんな話したね」
「それ、今も有効だと思いますか?」
「……思うよ。翠葉、がんばんなっ。さ、六時四十五分、そろそろあっちに戻ろう」
「はい」

 嵐子先輩は私の歩調に合わせてゆっくり歩いてくれた。そして、部室棟まで来ると、優太先輩を迎えに校舎裏にある温水プールの方へと走っていった。