光のもとでⅠ

「副作用のことを考えると、一ヶ月かけて薬の分量を上げていくのがいいと思います。どうでしょう? うまくいけば経口薬で疼痛コントロールができてしまうかもしれませんよ?」
 まるで、「やってみない手はないでしょう?」と言われている気がした。
 久住先生はとても優しくてきちんと説明をしてくれる先生なのに、どうしてか、自分が悪徳商法に引っかかる寸前の人に思えてならない。
 期待をして裏切られるのは嫌――。
 自然と心にブレーキがかかる。やるにしても期待はするな、と。
 今まで飲んできた薬には、そんな劇的によくなる薬や痛みのレベルを引き下げてくれるようなものはなかった。投薬で疼痛コントロールなんてできたためしがない。どうやったらそんな言葉を信じられるのか……。
「やるだけやってみない?」
 楓先生の言葉に心が揺れる。