この眠気には覚えがある。薬で眠くなるときはいつもこうなのだ。どんなにがんばっても瞼が下がってきてしまうし、意識がしだいに薄れだす。
「せんせ……?」
「少量だけど睡眠薬を点滴に入れた。でも、安心なさい。空港にはちゃんと連れて行くし、責任持って起こしてあげるから。それまでは休みなさい」
 その言葉を最後に、私は眠りに落ちた。