光のもとでⅠ

「……でも、私、入院の身なのよね」
 佐野くんに言われるまで、どうしてかわからないけれど、自由に動ける気がしていたのだから恐ろしい。何がどうしてそう思えたのか。
 明後日に退院が決まっているとはいえ、外に出るとなれば外出許可が必要になる。
「先生たちに許可をもらわなくちゃいけない。そのためにはどうしたらいいだろう……」

 ふと頭を過ぎる。玉紀先生の性教育が。

 ――「あからさまに反発するのではなくて、自分の考えを話して相手を説得するような話し方をしてみなさい」

 それが自己プレゼン能力――。
 私が単独で行動することは許してもらえないだろう。ならば、唯兄か蒼兄に力を借りよう。保護者になり得る人が一緒ならば許可が下りやすいかもしれない。だとしたら――やっぱり蒼兄と唯兄に話をして説得するところから始めなくてはいけない。
 そこまで考えて、唯兄の携帯番号を呼び出した。