光のもとでⅠ

『でも、相手に好きな人がいるとか、付き合ってるやつがいるとか、そういうのがわかれば心はしだいに収まるところに収まり始める。そう考えるとさ……先輩も秋斗先生もかなりキツイと思う』
 佐野くんは頭を掻きながら苦笑した。
『だって、御園生は藤宮先輩のこと好きじゃん。しかも、そのことを先輩は知ってるわけで、秋斗先生だって御園生の気持ちには気づいてるだろうし。ふたりとも御園生が誰を好きか知ってるのに、御園生が動かないから身動きが取れないことになってる。さらには、御園生はすぐ側にいるわけで……。つらくないわけがない。先輩が言った『すぐ手に入りそうな場所にいるくせに、絶対に踏み込ませないし踏み出さない』ってそういうことを言ってるんだと思うよ。自分を好きだって知ってるのに手も足も出せない。御園生がそう決めてしまったから。勝手に、どちらも選ばないって』
 衝撃的な言葉だった。