『大丈夫。時間のことは気にしなくていいから。今、宿題終わったところだし』
「あり、がと……」
『なんで、泣いてるの? ゆっくりでいいから、話して』
「……全部、私のせいで――ツカサも秋斗さんも離れていっちゃうっ……」
 電話口で泣いていたら話なんてできないのに、佐野くんを困らせるだけなのに、どうしても涙が止まらなかった。
『御園生、ちゃんと聞くから。少し落ち着こう』
 頷いても意味ないのに、私は携帯を耳に当てたまま必死に頷いていた。
『今、病室?』
「ん……」
『あのさ、海斗から聞いたんだけど、その病室ってパソコン使えるんでしょ?』
「使える……」
『御園生のパソコンにはカメラ内臓されてる?』
「うん……」
『じゃ、顔見て話そう。スカイプは知ってるよね? 紅葉祭の準備のときに連絡で使ってたやつ』
「うん」