そんな一言に胸が張り裂けそうに痛む。身体中が痛いのとは全く別物の、心が抉られるような傷みだった。
「九月編入に備えて四月には日本を出る」
 切れ長の静かな目に見下ろされたときにはもう何も言えなくなっていた。
「生殺しには耐えられない。それが、俺たちの出した答え」
 涙がぼろぼろ零れる。
「静さんみたいに何年も想い続けられるかと思ったけど、無理。あんなのできる人間のほうが稀。それをしてもらえると思っていたならご愁傷様。――手に入らないものがいつまでも視界に入るのは目障りだ」
 ツカサが病室を出ても、私はツカサが立っていた場所から視線を動かすことができなかった。
 身体のどこかをザン、と切り捨てられた気がした。
 きっと、ツカサはもうここへは来ない、来てくれない。