「学校の授業と補習の時間……これらも一緒にこなすとなるとかなりハードだ」
「でもっ……」
「翠葉ちゃん、君は入院患者なんだよ。学校に通える健康状態じゃないんだ。どういうことかわかるね? 全授業とリハビリをこなすということは、学校で授業を受けて部活をやっているようなものなんだよ?」
 私は唇を強く噛みしめた。
「学校へ通っていたときだって、これだけハードな毎日は過ごしていなかったはずだ」
「……はい」
「ただ……気持ちや状況は察するよ。リハビリを優先して勉強を疎かにすると、退院したときに授業についていけなくなるからね。だから、リハビリの負荷を落とそう。なるべく授業についていけるように、リハビリが身体の負担にならない程度まで」
 授業を休むことにも不安はあるけれど、リハビリの負荷が軽くなることにも不安はある。負荷を軽くするということは、予定よりも時間をかけないと負荷レベルを上げられないということではないだろうか。