大丈夫。前みたいにただ学校を休むのとはわけが違う。ここで授業を受けられるし、わからない部分は補習を受けられる。学期末にある進級試験をパスできれば二年生になれる。
 焦って無理にリハビリをしたら元の木阿弥。最初に必要としていた時間の倍かかることになる。疲れたら疲れたと言えばいいだけ。大丈夫――。
「いいね?」
「はい……」
「よし、いい子だ」
 紫先生は私の頭を軽く撫でて病室を出ていった。

 コンコン――。
 ノックのあとにドアが開かないことに気づき、慌てて返事をした。
「今、大丈夫かな?」
 控え目にドアを開け顔を覗かせたのは秋斗さん。