翌日土曜日、病室にリハビリ機材が運び込まれた。
 ウォーキングマシーンに見えるのはトレッドミル。エアロバイクに見えるのはエルゴメーター。
 どれも見慣れた機材ではあるものの、病室の一角にそれらが揃うとさながらスポーツジムのよう。
 運動前にはマットでストレッチを行い、心電図を装着したまま有酸素運動や筋力トレーニングを行う。そして、運動後にもしっかりと整理体操を――。
 二週間近く寝たきりだったこの身体はいったいどれほど体力が落ちてしまったのだろうか。
 不安に思いながら機材の搬入を眺めていると紫先生に声をかけられた。
「少しずつ、ゆっくり始めよう」
「はい」
 最初は身体にどの程度の負荷をかけるかを決める検査を行い、本格的にリハビリが始まるのは週半ば。