光のもとでⅠ

 ベッド脇まで来ると、
「体調はどうかの?」
 自分が尋ねたかったことを先に訊かれ、すぐに反応することはできなかった。
「わしはこのとおり、今日退院じゃ。……じゃが、お嬢さんはまだかかるんじゃろうて……」
 申し訳なさそうに瞳が揺れる。
「あっ……あの、大丈夫ですっ。術後熱がまだ引かないんですけど、ほかは順調に回復に向かっているみたいなので」
 羽毛布団をぎゅっと握りしめていた左手を、朗元さんの両手に包まれる。
「……すまなかったの。こんなことになってしまって。……苦しかったじゃろう? 痛かったじゃろう?」
 そんなの、朗元さんだって同じだったはず。あんなに真っ青で、あんなに苦しそうで、人が苦しむ姿を始めて目の当たりにした。
 素人目にも明らかだった。あのままだったら朗元さんは命に関わる状態だったと。
 いくら発作に対応できる施設があったとしても、人に知らせる手段がなかったら意味がない。私を気遣って防犯カメラを止めてさえいなければ、もっと早くに警備の人に気づいてもらえたのだ。