「今日はクラスメイトからの伝言も預かってきてる」
「伝言……?」
「……お見舞いには来ないって。自分たちに会いたいなら早く元気になって学校に来い。待ってるって」
「待ってる」という言葉に重みを感じ、心がじわりとあたたかくなる。
 闇に引き込まれるような不安には襲われなかった。
「翠葉……」
「蒼兄、大丈夫。ちゃんと伝わってるから」
「…………」
「がんばらなくちゃ……。早くみんなに会いたいから、がんばらなくちゃ」
 サイドテーブルにまとめて置いてある、クラスメイトから届いた年賀状を見てから蒼兄に視線を移し、ニコリと笑うと驚いたような顔をされた。
「蒼兄?」
「あ、いや、なんでもない。……そうだな。がんばらないと……って、これも預かってきたんだった」