光のもとでⅠ

 お父さんが後ろを振り返り、湊先生に頭を下げる。それに浅く会釈を返したあと、先生は私に向かって口角を上げる笑みを見せた。
 そのままゆっくりと唇を動かした。
 言葉は五文字。口が模った母音は「ア、ウ、ア、イ、ウ」。
 ――サプラ、イズ……?
 ほんの一時ではあるけれど、病室がとても賑やかになった。
 一緒に新年のカウントダウンをして、新年の挨拶をして私は呆然とする。
「……私、佐野くんたちに連絡しなかった」
 年越し初詣に誘われていたのに――。
「翠葉、佐野くんたちには俺から連絡してある。……というよりは、桃華経由で連絡してもらったから大丈夫」
「え……?」
「三十日、手術が終わっててから連絡入れたんだ。だから大丈夫」
「でーも、海斗っちたちのことだから、今この携帯を電源入れたらすごいことになるんじゃないのかなー?」