それに、
「おまえら、イベントやりたければ賛同しろよ!」
と、声をかける加納先輩。
後ろからは「女帝には逆らえねー」なんて声が聞こえてきた。
振り返ると、艶然とした笑みを浮かべた桃華さんと、それをフォローしながら歩く海斗くんがいた。
そんなふうに無事桜林館を一周して階段を上り、上階の通路に戻る。
司先輩が指紋認証を解除して中に入り、先ほどと同じように地下へ下りる階段を目にした。
正直、アップダウンの連続はつらい。
「少し疲れたか?」
階段を下りながら訊かれる。
「少し……でも、大丈――っ」
「翠っっっ」
大丈夫と言い終わる前に、体から力が抜けた。
ひとりで階段を下りていたら、間違いなく転がり落ちただろう。
「文句は聞かないから」
と、先輩の声が耳に届くと、すぐに抱え上げられた。
文句など言えるわけがなかった。
「おまえら、イベントやりたければ賛同しろよ!」
と、声をかける加納先輩。
後ろからは「女帝には逆らえねー」なんて声が聞こえてきた。
振り返ると、艶然とした笑みを浮かべた桃華さんと、それをフォローしながら歩く海斗くんがいた。
そんなふうに無事桜林館を一周して階段を上り、上階の通路に戻る。
司先輩が指紋認証を解除して中に入り、先ほどと同じように地下へ下りる階段を目にした。
正直、アップダウンの連続はつらい。
「少し疲れたか?」
階段を下りながら訊かれる。
「少し……でも、大丈――っ」
「翠っっっ」
大丈夫と言い終わる前に、体から力が抜けた。
ひとりで階段を下りていたら、間違いなく転がり落ちただろう。
「文句は聞かないから」
と、先輩の声が耳に届くと、すぐに抱え上げられた。
文句など言えるわけがなかった。


