司先輩に視線を移すと、「何」と不機嫌そうな顔で訊かれる。
「……笑顔じゃないですよ?」
「……じゃぁ、絶対零度の笑顔でも貼り付けようか?」
爽やかな笑みを浮かべたけれど、
「あの、私にじゃなくてあっち……」
と、指で示すも、
「そういうのは海斗や秋兄がやればいいんだ」
と、すぐに笑みを消した。
「……でも、先輩は黙っていても無愛想でも格好いいですけど」
先輩は瞠目する。
「あれ? 嘘だと思ってますか? お世辞じゃないんですけど……」
「……冗談じゃないほうが性質が悪い」
意味が理解できないまま残りの半周もゆっくりと歩いた。
ほかのメンバーを見回すと、私たちの一ブロック前を歩いている加納先輩のところがひどく騒がしい。
里見先輩に手を出す人の手をはたきつつ、一方では「楽しいイベント希望ー!」などと声をかけられている。
「……笑顔じゃないですよ?」
「……じゃぁ、絶対零度の笑顔でも貼り付けようか?」
爽やかな笑みを浮かべたけれど、
「あの、私にじゃなくてあっち……」
と、指で示すも、
「そういうのは海斗や秋兄がやればいいんだ」
と、すぐに笑みを消した。
「……でも、先輩は黙っていても無愛想でも格好いいですけど」
先輩は瞠目する。
「あれ? 嘘だと思ってますか? お世辞じゃないんですけど……」
「……冗談じゃないほうが性質が悪い」
意味が理解できないまま残りの半周もゆっくりと歩いた。
ほかのメンバーを見回すと、私たちの一ブロック前を歩いている加納先輩のところがひどく騒がしい。
里見先輩に手を出す人の手をはたきつつ、一方では「楽しいイベント希望ー!」などと声をかけられている。


