「翠葉、そろそろ起きなさい」
 お母さんに起こされるとルームコールが鳴った。
 蒼兄が出てすぐに切る。
「準備が整ったからステーションにお越しくださいって」
 その言葉にみんなが立ち上がった。
 私は靴を履きながら、
「栞さんたちはどうやってチャペルに誘導されるの?」
「簡単簡単。昇先生がチャペル見に行こうって誘ってるはず」
 答えてくれたのはお父さん。でも、
「それだけなのっ?」
「それだけだけど……碧さん、なんか問題ある?」
「ん? ないと思うわ。式の直前まで伏せていられたらいいわけだし……」
「じゃぁ、どの時点で知るのっ!?」
「私たちがチャペルに入ってきた時点かしら?」