光のもとでⅠ

「うちからは大きな花籠をプレゼントに用意してあるわ。それとは別で何かプレゼントを用意したいならパレスから帰ってからでいいんじゃないかしら?」
 自分が選んだわけでも用意したわけでもないけれど、何もプレゼントがないわけではないことにほっとする。
 結果的にはパレスから帰ったら唯兄と蒼兄と三人でプレゼントを買いに行くことになり、話は落ち着いた。

 九時を目前にレストランマネージャーがテーブルにやって来た。
「ビューティーサロンのご用意が整いました。碧様と翠葉お嬢様からとのことですので、係りの者がサロンへご案内させていただきます」
「わかったわ」
 お母さんが立ち上がるのに合わせて席を立つと、お母さんは私の後ろを見てにこりと笑った。