「あまり顔色良くないな」
と、司先輩がすぐ近くに来る。
「……えと、大丈夫です」
「翠の大丈夫は当てにならない。そこに座ってろ」
「でもっ……私、何かできることない?」
「やってもらうことはある。とりあえずは座れ」
と、頭に手の平を押さえつけられ、そのまま重力をかけられて座らされる。
荒川先輩に連れてこられた桜林館の中央には円形を模った幅四十センチくらいのカウンターがあり、まるでバームクーヘンを四等分にしたように区切られている。
区切られた場所は人が出入りできるほどのスペースがあり、そのカウンターの周りに椅子となるものが設置されていた。
座れ、と指示されたのは、その四分の一のひとつの席。
白いカウンターにバサ、と置かれたのは数枚のプリント。
表になっているようで、主には数字が目立つ。
ざっと目を通すと、会計報告であることがわかった。
「それの読み上げが翠の仕事」
「えっ!?」
桜林館には全校生徒が集まっている。その中央でこれを読み上げるのだろうか。
人の前で話すのは大の苦手なのだけど……。
そろり、と司先輩を見上げると、
「何かしたいんだろ?」
と、先輩は私を見下ろす。
と、司先輩がすぐ近くに来る。
「……えと、大丈夫です」
「翠の大丈夫は当てにならない。そこに座ってろ」
「でもっ……私、何かできることない?」
「やってもらうことはある。とりあえずは座れ」
と、頭に手の平を押さえつけられ、そのまま重力をかけられて座らされる。
荒川先輩に連れてこられた桜林館の中央には円形を模った幅四十センチくらいのカウンターがあり、まるでバームクーヘンを四等分にしたように区切られている。
区切られた場所は人が出入りできるほどのスペースがあり、そのカウンターの周りに椅子となるものが設置されていた。
座れ、と指示されたのは、その四分の一のひとつの席。
白いカウンターにバサ、と置かれたのは数枚のプリント。
表になっているようで、主には数字が目立つ。
ざっと目を通すと、会計報告であることがわかった。
「それの読み上げが翠の仕事」
「えっ!?」
桜林館には全校生徒が集まっている。その中央でこれを読み上げるのだろうか。
人の前で話すのは大の苦手なのだけど……。
そろり、と司先輩を見上げると、
「何かしたいんだろ?」
と、先輩は私を見下ろす。


