「確かに……起承転結とまでは言わないから、せめて何がごめんなさいなのかは書いたほうが良かったんじゃないか?」
 何が、ごめんなさい――何が何が何が……。
「……中庭に行けなくてごめんなさい? 電話に出られなくてごめんなさい? メールのお返事が遅くなってごめんなさい? 携帯電話を携帯していなくてごめんなさい?」
 思いつく限り口にしたら両脇から笑われた。
「ひどい……」
 でも、もっとひどいのは私の頭。
 数分前には思いつかなかったあれこれが、蒼兄のヒントでこうもスラスラ出てくるなんて……。
「確かに全部当たってるけど……そこまでごめんなさいの羅列を送りつけたら、あのふたりはどう思うかね」
 唯兄から指摘され、一生懸命頭を使う。