ティーラウンジで涼先生の話を家族揃って聞き、ゲストルームに戻ってきたのは十時を回った頃だった。
 先にお風呂に入るように言われ、お風呂から出てきたときには十一時。
 入れ違いでお風呂に入ろうとしたお母さんに、
「そういえば、翠葉がここを出たあと携帯が鳴ってたわよ?」
「ありがとう」
 誰だろう? メールかな?
 そんなことを考えながら髪の毛の水気をタオルにしみこませていた。
「リィ、乾かすよ」
「あ、うん」
 唯兄に髪の毛を乾かされながら携帯に手を伸ばす。