「あとさぁ……右回り左回り――どちらか一方向だけだとプラネットを一周しないと目的地点にたどり着けないんだよ。だからといって両方作るとなると回廊の幅を広くする必要があるし、内側と外側が決定的に区切られることになる。せっかくガラス張りにして開放感を演出してるのに、その意味がまるでなくなっちゃうんだ」
 お父さんも残念そうに話しながら歩いた。
「いっそのこと回廊を二階建てにしちゃうとかは?」
「それも考えたんだけどさぁ、そうすると一階の天井が空じゃなくなっちゃうじゃん?」
「何当たり前のこと言ってるんですか……」
 ふたりの会話は噛み合っているようで噛み合っていない。
 そんな会話を聞きながらゆっくり歩いてレストランに到着。
 入り口を入り、日中とは全く違う雰囲気に息を呑む。