光のもとでⅠ

 人の心情は歩き方に出るのかもしれない。
 急いでいる人や余裕のない人はせかせかと歩き、ゆっくりと歩く人は周りの景色を楽しむゆとりがあるのだろう。
 今、私の歩みはいかほどだろう……。
 お父さんの背を追ったまま考えていると、
「私も、かしらね?」
 控え目にお母さんに訊かれた。
 お母さんがそう言うのも無理はない。夏休みから今まで、カイロの施術時以外に家族が立ちあうことはなかったから。
 栞さんが、
「翠葉ちゃん、どうする?」
 自分に振られるとは思っていなかったから少しびっくりしたけれど、拒む理由はなかった。