レストランに残ったのは三人。
 このままゲストルームに向かうものだと思っていた。するとお父さんが、
「翠葉。体調は?」
「え……?」
「痛みがなくて少し歩けそうなら連れて行きたいところがあるんだ」
 その言葉にお母さんが反応する。
「もしかして――」
「そう、あそこ。碧も連れて行きたいと思わない?」
「思うけど……」
 ふたりが私をうかがい見る。
「どこ?」
「惑星の外なんだ。でも、ここを作ってるとき、父さんも母さんも何度もそこに足を運んだ。歩いて十分くらいなんだけど……」
 どこ、という明確な答えはもらえなかった。即ち、着いてからのお楽しみ、ということなのだろうか。
「痛みはそこまでひどくないから大丈夫だと思う」
 むしろ、そこまでして私を連れて行きたい場所というのが気になった。