「お姉さんと会わなくなってしばらくした頃に、看護師さんからオルゴールを渡されたんです。その中に唯兄が持っていた鍵と似たものが入っていました」
「っそれ、今も持ってるっ!?」
「家の引き出しに……」
「栞に言えばわかる場所?」
栞さんならわかる。
コクリと頷くと、先生はすぐに電話をかけ始めた。
「栞、ちょっと翠葉の家に行って取ってきてもらいたいものがあるの。待って、翠葉に代わるわ」
先生に携帯を差し出され、
「栞さん? あの、私の部屋の引き出しに……」
『本棚の中の?』
「そうです。一番左の引き出しにオルゴールが入っているんです。蓋を開けると鍵が入っているのですぐにわかると思うんですけど……」
『それを持ってくればいいの?』
「はい、できれば唯兄に届けてもらえますか?」
「ちょっと待って。若槻ひとりに渡すのは怖いから、翠葉、あなたが帰ってから渡しなさい」
『オルゴールってまさか――。……とりあえず、取ってきたら翠葉ちゃんの部屋のデスクに置いておくわ。それでいい?』
「はい、お願いします……」
電話を切ると、冷え切った指先に気づく。
「っそれ、今も持ってるっ!?」
「家の引き出しに……」
「栞に言えばわかる場所?」
栞さんならわかる。
コクリと頷くと、先生はすぐに電話をかけ始めた。
「栞、ちょっと翠葉の家に行って取ってきてもらいたいものがあるの。待って、翠葉に代わるわ」
先生に携帯を差し出され、
「栞さん? あの、私の部屋の引き出しに……」
『本棚の中の?』
「そうです。一番左の引き出しにオルゴールが入っているんです。蓋を開けると鍵が入っているのですぐにわかると思うんですけど……」
『それを持ってくればいいの?』
「はい、できれば唯兄に届けてもらえますか?」
「ちょっと待って。若槻ひとりに渡すのは怖いから、翠葉、あなたが帰ってから渡しなさい」
『オルゴールってまさか――。……とりあえず、取ってきたら翠葉ちゃんの部屋のデスクに置いておくわ。それでいい?』
「はい、お願いします……」
電話を切ると、冷え切った指先に気づく。


