光のもとでⅠ

 それには赤い石がついていた。
 大きさ的には変わらないのではないだろうか。
 でも、私がお姉さんに会ったことがあるのは数回で、しかも三年も前の話だ。
 三年――?
 確か、唯兄の妹さんが亡くなったのも三年前……。
 お姉さんが言っていた家族のユイちゃんは唯兄なの……?
 まさか――。
 感情に伴わない笑みを作り、そんなことはないと思おうとする。
 あり得ないと思う。思うのに、どうしてか心臓の鼓動は速くなる一方だった。

「翠葉?」
 カーテンが開いた。
「眠れないの? ちょっと脈見せて」
 と、先生に手を取られる。
「湊先生……。唯兄の妹さんって藤宮病院に入院していましたか?」
「あんたどうして――」
 だめだ、声が震える……。でも、確認しなくちゃ――。
「……そうよ。三年前、彼女は確かに藤宮病院にいたわ。でも、翠葉がなぜ知ってるの?」
「私……会ったことがあるかもしれません。 検査入院していたとき――私、あの鍵を知っているかもしれない」
「どういうこと?」