「来年、仕事を再開するときに使うワンタッチネイルのオーダーできる?」
「まっかせてください! どんなものにします?」
「あまり派手ではなくて、私の服装にあうものを五種類くらい。あ、ひとつはパーティーにも使えそうなものにしてね」
「はーい!」
 なんともざっくりとしたオーダーだったけれど、美波さんはとても嬉しそうに返事をした。

 家に帰ってくると、私は宿題をすることにした。
 秋斗さんに言われたからというわけではないけれど、早くに終わらせておくに越したことはないし、出されているのは苦手科目だから。
 夏休みの二の舞は困る。
 そう思って着手したら、ピアノや読書などの趣味をするよりも集中することができた。