ただ身体を起こして授業を受けているだけ。それだけでも板書したり頭を使うからか、私の身体はひどく疲れていたようだ。
 保健室のベッドに横になると、睡魔はすぐに訪れた。



 ――「あなたはいつまでここにいるの?」
 ――「私は検査入院だから、明後日には退院します」
 ――「そう……。検査、何もないといいわね」
 ――「お姉さんはいつまで……?」
 ――「退院する日は決まっていないの。まだ当分はいると思うわ」
 ――「……通院日に会いに来てもいいですか?」
 ――「あら、来てくれるの?」
 ――「はい。お姉さん、お花は好きですか?」
 ――「好きよ。でも、お花屋さんで売っているものではなくて、お庭に咲いているハーブのほうが好きだわ」
 ――「どうして……?」
 ――「だって、強いじゃない。どんなに風が吹いても雨が降っても、陽が当たればリセットされるくらいには強い。水に挿しておけば発根するものだってあるのよ? その生命力の強さに憧れるの」
 ――「……じゃ、おうちに咲いているハーブを持ってきます」
 ――「楽しみにしているわ」