光のもとでⅠ

「……胃にものが落ちてきて痛いっていうのは経験あるわ。でも、それがなくなったなら少しは快方に向ってるのかもね」
 その言葉に笑顔を添えられ、私は少しほっとした。

 いつもよりも早い時間、三時に病院へ行くと九階のナースセンターには相馬先生と涼先生がいらした。
 思わずカウンター手前で足が止まってしまった私に涼先生がにこりと笑む。
「傷付きますね。そんなに警戒しないでください」
「は、はい……」
「私のところへ来ないということは、戻してはいないようですが……」
 顎に長い指を添え穏やかな表情で、しかし残念そうに話す。
「あ、あの……最近はご飯を食べてもあまり胃が痛まないし、治ってきているのだと思いますっ」