用務員さんは詳しく教えてくれた。お世話当番が各学年バランスよく構成されていること。低学年の子には必ず高学年の児童がマンツーマンで飼育や清掃の仕方を教えること。
「中学年になる頃には動物に慣れてきて、ニワトリやアヒルを素手で持てる子も増えます。動物側も毎日同じ時間に人が掃除やエサを持ってきてくれるとわかれば慣れるものです。たまにアヒルやニワトリが脱走して追いかける羽目になりますけど」
 そのときのことを思い出したのか、用務員さんは目を細めクスクスと笑った。
「まずはゆっくりと回ってきてください。最後にハムスターが見られるように用意をしておきます」
 私は用務員さんにお礼を言い、渡されたパンフレットに目を通してから飼育広場へと向かった。