「……胃カメラのあと、数日間すごく胃の調子が悪くなるの。だから……できれば結婚式から帰ってきてからがいいなと思って」
「それは胃カメラを受けないための口実じゃない?」
唯兄にじっと見られると少し心臓に悪い。嘘発見器がどこかにあって、センサーに引っかかったらどうしようかと思ってしまう。
「……言い訳みたいに聞こえるかもしれないけど、本当、だよ?」
「じゃぁ、パレスから戻ったら病院……って年末かぁぁぁ」
唯兄が冷蔵庫に向ってうな垂れた。
唯兄が言うとおり、パレスから戻ったら年末。年末年始の休みに入る前は病院が混む。緊急でない限り、その時期に胃カメラの検査予約は取れないだろう。今さえ凌げれば来年までは胃カメラをせずにいられる。
少しずるくも私はそんな計算をしていた。
「明日は?」
キッチンの外から蒼兄に訊かれ、
「明日は終業式が終わったら一度帰ってくる。で、ご飯食べたら病院」
そこまで言って少し考える。
「それは胃カメラを受けないための口実じゃない?」
唯兄にじっと見られると少し心臓に悪い。嘘発見器がどこかにあって、センサーに引っかかったらどうしようかと思ってしまう。
「……言い訳みたいに聞こえるかもしれないけど、本当、だよ?」
「じゃぁ、パレスから戻ったら病院……って年末かぁぁぁ」
唯兄が冷蔵庫に向ってうな垂れた。
唯兄が言うとおり、パレスから戻ったら年末。年末年始の休みに入る前は病院が混む。緊急でない限り、その時期に胃カメラの検査予約は取れないだろう。今さえ凌げれば来年までは胃カメラをせずにいられる。
少しずるくも私はそんな計算をしていた。
「明日は?」
キッチンの外から蒼兄に訊かれ、
「明日は終業式が終わったら一度帰ってくる。で、ご飯食べたら病院」
そこまで言って少し考える。


