光のもとでⅠ

 この日、家族揃って外に出たから外食になるのかと思っていたけれど、そうはならなかった。 
 マンションのキッチンにはすでに水炊きの用意がしてあり、
「胃の調子、まだよくないんでしょう?」
 お母さんに訊かれる。私は食器棚のお皿を取りながら、
「……全快、とは言えないかな。でも、全然食べられないわけではないし……」
 大丈夫とは言えない。隠し立てできるような状態でも相手でもない。本当は、少しも快方へなど向っていないことは自分が一番よくわかっていた。だから、悪くなっているわけではないと思ってもらえればいい。そう思って返事をしていた。
「消化のいいものしか入れてないから、負担にならない程度に食べなさい」
「うん」
「リィ、結婚式の前に涼先生に診てもらったほうがいいんじゃないの?」
 手伝いに来た唯兄に再度診察を勧められる。