「あら、話してなかったかしら? 翌日は会長のバースデーパーティーなのよ」
「それは海斗くんに聞いたのだけど……私たちも出席するの?」
「午前中だけね。その日は藤宮一族であったり財界人や政治家たちが入れ代わり立ち代わりでパーティーに来るのよ。本当はパーティーが始る前にご挨拶してプレゼントを渡したらパレスを出る予定だったんだけど、一緒に仕事をしたことがある人や、今後つながりを持ちたい人たちが午前中にいらっしゃるって静から情報をもらったから、仕事の関係で少し残ることにしたわ」
「会長さんに……ツカサたちのおじいさんに、会う、の?」
「……何か問題でもある?」
「……ううん。そうじゃないけど――」
 会って伝えたいことはある。けれど、負の感情に負けたらどんな言葉が飛び出すかわからない。誕生日には似つかわしくない言葉を発してしまいそうで、心からお誕生日おめでとうを言えない気がして、少し戸惑う。