リボンを自分で結んでみようとしたけれど、何度やっても縦結びになってしまいうまく結べない。仕方なく、カーテンの向こうで待っていてくれているであろう荒沢さんに声をかけると、
「失礼いたします」
カーテンが開いた。
リボンを結ぶと、
「よくお似合いでらっしゃいます」
鏡越しに微笑まれる。
「ドレスにはこちらのボレロがセットになっています」
差し出されたボレロを羽織ると、カーテンを開き、
「靴はこちらのシルバーのものを」
と、ふたつ並べられたうちのひとつを足元に揃えられた。もうひとつはゴールドの靴だった。きっと、ラメに合わせて選ばれていたのだろう。
いつもより高いヒールに不安を抱きながらフロアに出た。コツ、と鳴れない音が響き、それに気づいた家族が振り返る。
「失礼いたします」
カーテンが開いた。
リボンを結ぶと、
「よくお似合いでらっしゃいます」
鏡越しに微笑まれる。
「ドレスにはこちらのボレロがセットになっています」
差し出されたボレロを羽織ると、カーテンを開き、
「靴はこちらのシルバーのものを」
と、ふたつ並べられたうちのひとつを足元に揃えられた。もうひとつはゴールドの靴だった。きっと、ラメに合わせて選ばれていたのだろう。
いつもより高いヒールに不安を抱きながらフロアに出た。コツ、と鳴れない音が響き、それに気づいた家族が振り返る。


