「大丈夫なのか?」
 戻ってきた蒼兄に声をかけられた。
「ん、大丈夫」
 言いながらお湯の入ったタンブラーと薬を受け取り、薬を飲んで時計に目をやる。
「もうお夕飯の時間だよね」
「そうだけど……食べられるのか?」
「今日はお鍋でしょう?」
「当たり」
 ふわり、と蒼兄が笑う。
「お鍋のおつゆでおじやにして食べる」
「無理、してないか?」
「してないよ。無理して食べて、戻して胃カメラ確定は嫌だもの。だから、少しだけ食べる。無理しては食べない」
 私は笑って答えた。