光のもとでⅠ

「本当……羨ましい限りだわ。あっ、話を元に戻すけど、そのサザナミくんに声をもらっていいかしら?」
 美乃里さんに言われて、
「私、謝らなくちゃいけなくて」
 と口にしたら、美乃里さんは首を傾げた。
「千里も謝りたいって言ってたけど……いったいどうなってるの?」
 説明をするのはちょっと避けたくておろおろしていると、
「千里ーっ、カモーン!」
 と、理美ちゃんが大声で集団に声をかけた。
 すると、ばつの悪い顔をしたサザナミくんが司先輩に蹴り飛ばされて出てくる。
 たぶん、背中に足跡が付いているんじゃないだろうか……。
「サザナミくん、ごめんね。私、あのときちょっとおかしくて、本当にごめんね? 背中、大丈夫?」
 サザナミくんの後ろに回ると、背中にはくっきりと靴の跡が付いていた。それを手で払ったら、飛び退くようにサザナミくんが振り返った。
「っていうか、俺がゴメンっ。……もう大丈夫なの? ……その、今、普通に払ってくれたけど」
「え? あ、ごめんね? 靴の跡が付いていたから」
「……そうじゃなくてさ」
 サザナミくんが私の手を見ていた。