光のもとでⅠ

 見れば動揺しているとわかるのに、言葉にされるとなぜか「意外」だと思ってしまう。
 普段の唯兄がとても「普通」すぎて。こんなふうに動揺している姿を目の当たりにしても、やっぱり「意外」だと思ってしまう。
 考えてみれば、唯兄が家族になってからこちら、唯兄の――若槻の家族が話題に上がることはほとんどなかった。一度だけ、お墓を作るときだけではなかっただろうか……。
 みんながみんな、その話題に触れないようにしていたのかは不明。わかることといえば、唯兄がごく自然にうちの家族に馴染んだことくらい。
 しばしの沈黙を破ったのは唯兄だった。
「俺、学校って場所に行かなくなってから地元の人間に会ったことないの」
 照れ隠しとは違うけれど、感情を隠そうとしているような話し方。何かを隠すための仕草や表情に思える。