光のもとでⅠ

 お母さんと唯兄と私はエレベーターホールまで来ると二手に分かれる。
 本当はひとりで十階へ上がるつもりだった。けれど、唯兄がついて来た。
「ガンガン吐いてたって妹ひとりにできるわけないでしょーが」
「でも、十階ってセキュリティ登録されている人じゃないと入れないし……」
「リィ、誰に言ってるのかなー? これでもお兄さん、秋斗さんの部下なわけですよ。ある程度のところには出入りする許可下りてるわけですよ」
「そうなの?」
「そうなの」
 一連の会話を聞いていたお母さんが、
「じゃ、私は車を裏口付近に回しておくから」
 と、右のエレベーターで下に降りる。私と唯兄は左のエレベーターで十階へ上がった。
 十階に上がることに問題はなく、その先にあるセキュリティもパスする。
 本当にある程度のところの出入りは許可されているのね、と思っていたら、詰め所にいる人たちに却下された。
「若槻さんとお見受けしますが、この先はご遠慮ください」
 と。