私が違和感を覚えないように、気づかないうちに――かなり直前ではあったけれど……。
「楓さんって絶対にいい人の面かぶった悪人よねっ。翠葉ちゃん、騙されないように気をつけてねっ!?」
 最終的には怒りの矛先がすっかり楓先生に向かい、私は果歩さんとお話ができるようになっていた。
 まさか――まさかとは思うけど、楓先生、ここまで考えてたとは言いませんよね……?