「酸素が足りなくて……」
答えてから「しまった」と思う。
だけど、そんなときにいつでも助け舟を出してくれる人がいた。
「確かにっ! 今日は人数多いからね。少し寒い思いして換気でもする?」
唯兄が持ち前のフットワークで窓際へ移動した。
冷たい空気が外から入り込み、その場の空気を攫っていく。そのとき――海斗くんと並んでこっちを見ている佐野くんと目が合った。
目は見開き、唇をきゅっと噛みしめていた。それがどんな感情を意味する表情なのか、私には読み取ることができなくて……。
ごめん、と思った。
佐野くんを連れてきたのは私なのに、私はその場に全く参加していなくて。
助けて、と言ったのに、佐野くんが助けられるフィールドに私はいなかった。
きっと、佐野くんは私を責めたりしないだろう。だから、代わりに私が自分を責める。
そうする必要があった。
答えてから「しまった」と思う。
だけど、そんなときにいつでも助け舟を出してくれる人がいた。
「確かにっ! 今日は人数多いからね。少し寒い思いして換気でもする?」
唯兄が持ち前のフットワークで窓際へ移動した。
冷たい空気が外から入り込み、その場の空気を攫っていく。そのとき――海斗くんと並んでこっちを見ている佐野くんと目が合った。
目は見開き、唇をきゅっと噛みしめていた。それがどんな感情を意味する表情なのか、私には読み取ることができなくて……。
ごめん、と思った。
佐野くんを連れてきたのは私なのに、私はその場に全く参加していなくて。
助けて、と言ったのに、佐野くんが助けられるフィールドに私はいなかった。
きっと、佐野くんは私を責めたりしないだろう。だから、代わりに私が自分を責める。
そうする必要があった。


