口にした食べ物の味がわからない。何を食べたのか、目に映っているはずなのに、きちんと脳に伝わらない。
自分が呼吸をしているのか、ふとしたらそんなことまでわからなくなりそうだった。
何も変わらないのに、みんなそういうふうに接しているのに。それはもしかしたら藤宮の流儀なのかもしれなくて、でも、本当は私を気遣ってのことなのかもしれなくて。
今の私は、酸欠で水面近くを彷徨っている金魚みたいだ。
水の中にいるから外の音がくぐもって聞こえるに違いない。
どうしても同じ空間にいるという実感が湧かなかった。
どうしたら同じ空間にいると思えるのかがわからなかった。
――目を開ける。と、切迫した顔で私を覗き込む顔があった。
湊先生と昇さん、それから楓先生。
左手が痛い。
視線を手に向けると、湊先生が脈の場所をぐっと掴んでいた。
同じように首の側面にも人の手が添えられていた。それは栞さんの手だった。
何が起きているのか……。
自分が呼吸をしているのか、ふとしたらそんなことまでわからなくなりそうだった。
何も変わらないのに、みんなそういうふうに接しているのに。それはもしかしたら藤宮の流儀なのかもしれなくて、でも、本当は私を気遣ってのことなのかもしれなくて。
今の私は、酸欠で水面近くを彷徨っている金魚みたいだ。
水の中にいるから外の音がくぐもって聞こえるに違いない。
どうしても同じ空間にいるという実感が湧かなかった。
どうしたら同じ空間にいると思えるのかがわからなかった。
――目を開ける。と、切迫した顔で私を覗き込む顔があった。
湊先生と昇さん、それから楓先生。
左手が痛い。
視線を手に向けると、湊先生が脈の場所をぐっと掴んでいた。
同じように首の側面にも人の手が添えられていた。それは栞さんの手だった。
何が起きているのか……。


