親は子どもが子どもであるうちには、子どもができる行為をしてほしくないと願う。
 もし、子どもが妊娠したり妊娠させたりすれば、親が思い描いていた人生からは外れた道を進むことになってしまう。
 そういったことを危惧するからこその願望なのだろう。
 けれど、身体と心が成長すれば子どもは必然と「性」に興味を持つ。そこは避けて通れないのだという。
「興味を持ったことに対し隠し立てすることがいいことなのかどうか――隠せば知りたいと思うのが人でしょう? 難しいことだけど、うちの学校はすべてを知ったうえで判断してほしい。過ちを犯してほしくないという考えなの」
 この学校は、受験前に取り寄せる願書とは別に保護者宛に封書が送られてくる。それにはこれらのことがすべて書かれているという。そのうえで、子どもを受験させたいか、とまずは親が問われるらしい。
 受験するときには肯定していても、実際に入学書類へサインする時点で渋る親もいるという。