先生は性感染症になったときのことも教えてくれた。
性感染症になったときにはひとりで治療を受けても意味がないこと。パートナーも一緒に治療を受けなくては意味がないことを。
ネズミ算式のように際限なく広がる人間関係を少し怖いと思った。
そして、ふいに秋斗さんを思い出してしまうのだ。
今まで何人の人と関係をもってきたのだろうか、と。秋斗さんは大丈夫なんだろうか、と。
「今、何を思ったか当ててみようか?」
先生の問いかけに視線が泳ぐ。
「秋斗くんのこと、じゃないかな?」
私は答えられず、先生の顔を見ることもできず、テーブルの一点を見つめていた。
「秋斗くんね、翠葉ちゃんを好きになったときに一通り検査を済ませたみたい。結果はどれも陰性だったそうよ」
……良かった。
性感染症になったときにはひとりで治療を受けても意味がないこと。パートナーも一緒に治療を受けなくては意味がないことを。
ネズミ算式のように際限なく広がる人間関係を少し怖いと思った。
そして、ふいに秋斗さんを思い出してしまうのだ。
今まで何人の人と関係をもってきたのだろうか、と。秋斗さんは大丈夫なんだろうか、と。
「今、何を思ったか当ててみようか?」
先生の問いかけに視線が泳ぐ。
「秋斗くんのこと、じゃないかな?」
私は答えられず、先生の顔を見ることもできず、テーブルの一点を見つめていた。
「秋斗くんね、翠葉ちゃんを好きになったときに一通り検査を済ませたみたい。結果はどれも陰性だったそうよ」
……良かった。


