光のもとでⅠ

「恐ろしいほど粗雑な扱いよ? 足でポンポンリフティングしながら持っていたり、時には友達と投げっこするアイテムになってたり……。一年生にはね、そこから教えるの」
 初等部ではたくさんの動物が飼育されているらしく、その中でもハムスターがメインだという。
 餌をあげたり寝床をきれいにしてあげる以外に、時として温度管理なども必要になるそうで、それらを各学年共同作業で飼育しているのだとか……。
「翠葉ちゃんはハムスターを飼ったことある?」
「いえ……。ほかの動物も飼ったことはないです」
「そうなのね。今度初等部見に行ってみるといいわ。かわいいわよ?」
 にこりと笑ってお茶を飲み、先生は話を続ける。
「ハムスターは生後ニヶ月から繁殖できるようになるの。寿命は長くて二年。生まれてすぐに死んじゃう子もいる。見た目のかわいさだけではなく、生まれたときの喜びや死んでしまったときの悲しみ。そういうことを動物から学ぶの。そして、紙袋を放置してる子を見かけたら、すかさずハムスターの話をするのよ」
 ここがポイント、と言われた。