光のもとでⅠ

「低学年のうちはみんな素直よ。言われたことは基本的に守ろうとする。だからこそ、この時期にやらせるっていうのもあるんだけど……。悪知恵が働くようになってからじゃ少し難しい実習だわね。先生の言うことを素直に聞いてくれるうちが勝負どころです。ま、この実習に関しては親御さんや保護者の協力も必要なんだけどね」
 この実習は初等部一年生から三年生まで、三年間続けて行われるらしい。
 それと同時並行で「命の大切さ」についても学ぶ。むしろ、命の重みを知らずしてこの実習は意味を成さないという。
「想像してみて? 紙袋を赤ちゃんとして扱うのに、赤ちゃんが命あるものだと思わなかったらどんな扱いになると思う?」
 赤ちゃんだと思って――とはいえ、見た目は単なる紙袋なのだ。その辺に放置していても大丈夫、と思ったりするのかもしれない。
 私の考えはとても安直だった。